外装材を選ぶコツ
外装材を選ぶコツは素材や機能の中身と、色や模様の外観です。外観を重視したくなるのも分かりますが、屋根と同じく常に外部から家を守ってくれる外壁は、素材や機能といった中身をよく検討しなくてはなりません。そのためには、耐久性、耐水性、遮音性に優れた外壁材を選ぶことが大切です。
また、室内でより快適な生活をおくるために断熱に優れたもの、他の家の火事から守るための耐火性に優れたものも大きなポイントです。
外壁材は主にサイディング、塗り壁、タイルに大別されます。このサイトでは、それぞれの特徴と比較をまとめます。
モルタル塗り壁
セメントと砂を混ぜ、水を加えて練ったモルタルを下地に、樹脂系の素材や漆喰、珪藻土を塗装する方法です。
仕上げに、コテやローラーなどで様々な模様にすることができるため、住宅に個性をもたせることができるのが最大の魅力。通気性や耐久性にも優れた素材です。
また、漆喰や珪藻土は自然素材であることから、環境や健康にも良い素材です。時間とともにひび割れが発生するため、5~10年程度で、再塗装や修繕をおこなった方がよいでしょう。
タイル
タイルは粘土・陶石・長石を主原料に各種の鉱物を混ぜて板状に成形して、焼成した素材です。モルタルやコンクリートなどを下地として、タイルを貼ります。
素地質、吸水率の違いで、磁器質、せっ器質、陶器質に分けられ、磁器<せっ器<陶器の順に給水率が高くなります。
給水率が高くなると、下地のモルタルの水分を吸収し、モルタルへの接着力を減少させるため不向きです。
それゆえ、水分を吸収しにくい磁器質やせっ器質の方がよく選ばれます。磁気質やせっ器質は耐候性、耐久性、耐火性にも優れています。また、汚れがつきにくく、メンテナンスが楽なのが魅力です。
デザインの良さから人気がありますが、他の素材に比べて高価になります。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメント質と繊維質を主な原料で作られます。セメントなどの原料を釜で圧力をかけながら高温で成形し、それを養生すると完成です。成形のときに型を付けることで、タイル風にしたり、石積みの雰囲気を出すことが可能です。
最近サイディングのJIS規格が変更となり、14mm以上でないといけなくなりましたが、サイディングにデザインを施したデザインサイディングは16mm以上が主流です。
当然薄い方が安くなりますが、歪みなどの不具合、見た目の重厚感、防音効果などに影響を与えるので、しっかりと選びましょう。
ショールームなどで確認して頂くと分かりますが、厚みが厚いものの方が、タイルや石目調のデザインが本物らしくなります。
ちなみに価格ですが、14mmから16mmの変更によって、40坪くらいの住宅であれば、100万円以上はアップするようですので、家を建てる予算と相談する必要はあるようです。
金属系サイディング
金属系サイディングは、鉄やアルミニウムなどの板材に、発泡系樹脂断熱材を補強材として成形された外壁材です。
非常に軽量ですので、施工が楽といったメリットがあり、リフォームに向いた材料と言えるでしょう。厚みは15mmほどが一般的です。
金属のため、出隅や入隅部以外は釘をそのままサイディングに打ちつけるのではなく、サイディングが重なる部分に釘を打つのが一般的な施工になります。そのため、釘の跡などが目立たず、綺麗な仕上がりになります。
ただ、凹凸をあまり大きくは出来ませんので、タイル柄や石目では安っぽさを感じるかもしれません。比較的シンプルな柄が多いのはそのせいでしょうか。