シリコン樹脂塗料
シリコン樹脂塗料の、シリコンは半導体素材として有名ですが、身近なところでは口紅、アイシャドー、シャンプー、医療飲料用チューブ、新幹線、航空機、スペースシャトルなどに使われています。
航空機などに使われれていることから、耐久性や耐熱性に優れていることが分かります。また、人体にもやさしい素材であるともいえます。シリコン自体は非常に安定した物質で、紫外線で壊れることがありません。
このような高機能を持つシリコンで作ったシリコン樹脂塗料は、汚れにくく、防かび・防藻性能が高いことが特徴で、長く光沢を保ちます。耐久年数は約10~15年です。数年前までは、高価格でしたが最近は普及価格帯も登場し、コストパフォーマンスの高い塗料としてよく使われるようになりました。
シリコン樹脂の中でも、さまざまな種類がありますが、アクリル樹脂と融合させたアクリルシリコン樹脂が広く使われるようになりました。
遮・断熱塗料
太陽光から発生する赤外線そのものは熱を持っておらず、ものに吸収された時点で熱を発生させます。遮熱塗料は、この仕組みを利用し、太陽の光を跳ね返したり、赤外線を吸収する率を減らし熱の発生を防ぐ塗料です。
遮熱塗料は、一般の塗料に遮熱顔料を加え製造します。同じ色の塗料に比べ、65~90%もの赤外線吸収を抑制することができます。使用条件によって異なりますが、表面温度は10~20℃、室内温度で約10%温度が下がり冷房費用を抑えます。
温度上昇を抑えるには、屋根自体をきれいに保ち汚れが熱を吸収しないようにすることも大切です。
塗料選びは汚れにくいタイプを選びことが必要でしょう。特に塗装をおすすめしたい屋根材はトタンや化粧スレートですが、価格的には一般の塗料よりやや高めです。
ただ、遮熱塗料は、お気に入りの色を選べないことがあります。黒い服を着ていると、熱を吸収して暑くなるように、屋根の色を濃くすると熱を吸収してしまい、充分な効果が発揮できません。淡い色を選ぶことが必要です。
カバー工法
リフォーム会社に屋根を点検してもらい、屋根材の傷みが激しい場合は、カバー工法(重ね葺き)か葺き替えを検討しましょう。
カバー工法(重ね葺き)とは、既存の屋根を撤去せず、その上に屋根材をかぶせる方法です。屋根材にサビやヒビが目立つものの、下地は傷みが少ない場合などに適しています。採用できる屋根材は、スレート、金属系、アスファルトシングル、アルミダイカスト瓦などです。
カバー工法のメリットは、葺き替えに比べ工事期間が短く、費用が抑えられる点です。また、既存の屋根を解体しないので廃材が出ず、環境にやさしい方法といえるでしょう。さらに屋根材が二重になるので、断熱性、遮音性も高まります。
デメリットは、屋根が二重になるので、現状より屋根が重くなることです。大抵の場合は大丈夫ですが、念のために建物の強度や耐震性を十分チェックし、できるだけ軽い屋根材を選ぶことが大切です。
葺き替え
屋根材はもちろん下地まで傷んでいる場合や、既に雨漏りをしている場合は、下地のやり直しも含めて葺き替えをおすすめします。葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に替えることです。すべての屋根材に対応できます。
葺き替えのメリットは、屋根材の下の防水シートや、桟木、下地材まで一新できるので、建物自体の耐久性が向上することです。また、屋根リフォームのついでに換気扇や天窓などを設けることもできます。
逆に、施工期間が長くなり、費用がかさむことは難点ですが、住まいの耐久性が向上するので長期的に考えれば経済的といえるかもしれません。
補修工事
補修工事とは、塗り替えや重ね葺き(カバー工法)、葺き替えまでに至らない小さな工事のことです。傷んだ箇所のみを補修するので、費用が抑えられます。
具体的には、瓦のズレや浮き、割れた部分を交換して直したり、瓦の留め付けを強くしたりします。また、雨漏りの原因を調べて直したり、棟の瓦の一部を外して交換する工事、瓦の接合部の漆喰やモルタルがくずれ下の土が見えている場合も補修工事の対象になります。スレートなどの場合は、変色した部分のみを塗り直すなどの工事も含みます。